アレルギーはこんな病気です

glass, pouring water アレルギー

アレルギーとは、免疫が暴走し過剰防衛した末に、自分の体にも被害が及んだ状態(病気)です。生まれつきの体質と、生活環境とが、複雑に関連しあって発症します。免疫は本来、病原体や毒素といった、体にとって有害な物質を選別して攻撃し、排除してくれる番人です。有害物質ごとに、免疫は自分の体にとっての危険度を設定していて、それに応じて攻撃の火力を調節しています。アレルギーは、総力をあげて体から徹底的に排除すべき危険分子としてブラックリストが作られ、最大火力で排除活動が行われている状態です。

アレルギーバケツ理論(アレルギーコップ説)

アレルギーバケツ理論(Allergy bucket theory)もしくは、アレルギーコップ説という例え話があります(正式な医学用語ではありません)。各人は生まれつき、容量の決まったコップをもっており、アレルゲン(アレルギーの原因物質)やストレス、大気汚染などに晒され続けることで、コップに水が徐々に注がれてゆきます。コップの水が溢れると症状がみられるようになり、以後は少量のアレルゲンでも症状がでるようになるというものです。少しアレンジして説明を追加しますと、コップの大きさは各人で異なりますが、親子で似たような大きさになる傾向があります(遺伝的素因)。また、同じ人でもアレルゲンごとに大きさの異なる複数のコップをもっていて、それぞれのコップが溢れるごとに、そのアレルゲンに対するアレルギーを発症します。一方で、アレルゲンとの接触の仕方によっては、コップに溜まった水を抜いてくれる場合もあります(免疫寛容といいます)。

アレルギーの発症には、準備段階が必要

免疫のブラックリストに載るためには、特定のアレルゲンが、体にとって有害であるという犯罪歴を重ねる必要があります。ブラックリストにのった段階では(感作といいます)、必ずしも症状はみられません。有罪だけれども、免疫による排除活動が行われない執行猶予の段階です。その後、何かをきっかけにアレルギーを発症すると(閾値をこえると)、その特定のアレルゲンについては、少量であっても根絶やしに焼き尽くそうとするため、自分の体にも火の手がおよび、様々な症状を発症します。

アレルギーの代表的な病気

アレルギーで有名なものとしては、花粉症、動物アレルギー、食物アレルギー、金属アレルギー、蕁麻疹、虫刺され、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(かぶれ)、薬剤アレルギー、気管支喘息、などがあります。アレルギーの中でも、命を落としうる最も重症なものがアナフィラキシーです。アナフィラキシーは、蜂に刺されて命を落とすことがあることで有名ですが、食物アレルギーや薬剤アレルギーなどでも起こり得ます。アナフィラキシーの症状としては、蕁麻疹、低血圧や動悸・めまい、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢、舌や喉の腫れ、咳や呼吸の苦しさ、といった全身にわたる複数の症状が、短時間のうちに次々に積み重なってゆきます。

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