初夏の、イネ科の花粉症

シロツメクサとウサギ アレルギー

花粉症といえば春で、ゴールデンウィークの頃に一段落する人が多いのですが、その終わりの頃からイネ科の花粉症の時期になります。イネ科の花粉は、関東地方では5-6月の初夏の頃に最も多く飛散します。秋にも、再度飛散するため、ブタクサ・ヨモギ(キク科)とならんで、秋の花粉症の原因にもなります。

イネ科の花粉の飛散距離は数十mとされ、数十キロにわたって旅するスギなどに比べて近距離ですが、河原や道路脇などそこら中に雑草として生えているため、気づかずに近づいていることが多いです。

眼や耳の中の痒みや、咳の症状を伴うことも。

海外では花粉症はhay fever(干し草での熱)と呼ばれており、イネ科の牧草を干しているところに近づいて起こる、風邪症状に名付けられました。くしゃみ、鼻水だけでなく、咳や熱、倦怠感なども起こすとされます。日本の春のスギ花粉症から連想する症状よりもひどいです。

参考:Mayo Clinicの解説ページ, Hay fever

代表的な植物は、カモガヤ(オーチャードグラス)、オオアワガエリ(チモシー)

イネ科の代表的な植物としては、カモガヤ、オオアワガエリなどがあります。いずれも明治時代に牧草として輸入されたものが、その強い生命力で野生化したものです。寒さや日照不足にも強く、越冬することのできる多年草で、河原や道路脇など、いたるところに自生しています。

カモガヤは、オーチャードグラスとしても知られ、英名ではCock’s foot(鶏の足)とも呼ばれます。穂の形が、鶏が足を広げた形に似ているところに由来する名前だと思います。

オオアワガエリは、チモシーの名が有名で、英名ではcat’s tail(猫のしっぽ)と呼ばれます。同じくイネ科のエノコロ草と形は似ていますが、麦のように直立しています。アメリカから北海道に持ち込まれたのが最初とされ、カモガヤよりも寒さに強いです。

食物アレルギーの合併(キウイ、メロンなど)

イネ科の花粉の抗原性は、同種間での交差性の高さが知られており、イネ科全般に反応する人が多いです。

また、食べ物との交差性も知られており、ウリ科(メロン、スイカ)、ナス科(トマト、じゃがいも)、マタタビ科(キウイ)などの食物アレルギーを併発することがあり、花粉-食物アレルギー症候群(Pollen Food Allergy Syndrome, PFAS)としても知られています。

関連記事:花粉症と関連した、食物アレルギー

季節外れの花粉症状や、夜やしゃべった時などに咳が続く場合や、メロンやキウイなどでのどがイガイガする場合などには、アレルギーの専門医に相談してみましょう。

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