海外の報道で、災害時にレスキュー隊などが装着している、顔を半分覆うガスマスクのようなものを見かけてなんだろうと思っていました。スターウォーズに出てくる、ダースベーダーのような外見のマスクです。
画像は、フェイスシールドと組み合わさったものですが、鼻と口だけを覆うタイプのものをゴーグルと併用した写真をよく見かけます。
Elastomeric Respiratorと呼ばれますが、日本ではあまり使われているのを見たことはありません。
仕組み
吸気と呼吸が、別々のフィルターを介して出入りします。
両頬にある吸気フィルターはN95マスク相当でウイルスなどの病原体を通さない高性能のものであるのに対し、口の近くにある排気フィルターは、微生物を除くほどの高性能ではありません。
工場や災害地で、粉塵や病原体などを吸い込まずに作業に専念できるようにというのが元々の使用目的だったようです。
マスクの仕組みについては、こちらのページ中ほどの、What is an elastomeric respirator? というリンク先の資料がわかりやすいです(資料は英語です)。
消毒して再利用可能!
なんと、適切な方法で消毒をすれば再利用可能です!
従来のN95マスクを始めとした使い捨てのマスクが世界的に不足する中で、アメリカなどの医療機関では、こちらを代わりに使用する場合もあるようです。参考:New York Times の記事
新型コロナウイルス蔓延と、マスク不足の続く中で、N95の代わりとして使う状況を想定して、アメリカのCDCも使用上の注意点を紹介しています。
水害後の作業時などにも
今年は梅雨が長く、浸水被害のひどい地域が出ています。去年もひどい台風でした。
水害後の家屋にはカビなどの病原体が非常に増えているため、復旧作業の際にはこちらのマスクを装着した方が、通常のマスクよりも病原体や粉塵、アレルゲンなどを吸入するリスクを減らすことができそうです。
日本でも広く流通するようになると良いですね。