クリニックからは、神田川が見えます。
去年の大雨では、氾濫しないか冷や冷やしながら見守りました。
あれは梅雨だったのか、台風だったのか、はっきり思い出せずに検索してみて、10月中旬の週末のことだとわかりました。
今年の梅雨も雨が多くて、熊本をはじめとした大変な状況を伝え聞くにつれ、早いところ梅雨前線が動いてくれないかと、やきもきしています。
自分の記憶に残っている最初の自然災害は、1990年の台風です。通学路にあったとても大きなポプラの樹が折れてしまって、「ポプラがたおれた」と学級新聞の見出しになったほどでした。
その次の記憶は、阪神・淡路大震災。枕元に積んでいた本が倒れてきたけれど、そのまま二度寝してしまって、まさかあんな状況になっていたとは想像もつきませんでした。
記憶を辿って思い出せるのはいくつかの大きな出来事ばかり。いつの間にこんな熾烈な災害が毎年のようにやってくるようになっていたんでしょう?
大きなことは記憶に残るけれど、忘れてしまっているような日々の小さなことの積み重ねが今の自分を形作っているのだと思います。
雨上がりの神田川をみていて、ふと思いました。
人の生活は河と繋がっていて、河は海に繋がっているんだな。
河の流れは一方通行だけれども、海は台風を生んだり、前線を形作ったりして、見えない形で人に影響を返してゆくのだな。
河はただそこに在るので気に留めていなかったけれど、目に見える形で日々変わっているのだな。
日々の小さな事も拾い上げて、大きな変化の兆しに備えられますように。
僕は忘れてしまうから、時々こうして記録に残してゆきたいと思います。